udwigの中でも特に人気のある60年代!!
ビンテージのドラムには色々な特徴があるが、今回はludwigのラップの巻き込みについて紹介していこう。
まず、大きく分けるとドラムのシェルは、ペイントとラップの2つの種類に分けられる。
シェルのペイントとラップの違い
シェルのペイント
ペイントはそのままシェルを塗りたくるパターンだ。
以前にusadrumshopで取り扱っていた、ludwigの60年代パイオニアスネアである。
このスネアを見てもらうと分かるが、ペイントで塗りたくっている。
シェルをラップする
ラップというのはシェルにペイントを施すのではなく、装飾されたラップをシェルに巻きつけるタイプだ。
こちらは60年代のludwig(ラディック)ブルースパークルパイオニアスネアだ。
ペイントと違って、シェルにブルースパークルの素材をラップしている。
写真を見てもらうと分かるが、ラップなので継ぎ目があるのが分かるだろうか?これがラップの特徴だ。
ペイントの場合には当然、継ぎ目は無い。
ラップは基本的にシェル自体にペイントするタイプよりも複雑な装飾が可能な半面、日焼けや色ムラが出やすい。
60年代、70年代のビンテージで状態の良いラップタイプのドラムはとても希少になってきているのが現状だ。
ブラックオイスターは超高額
リンゴスターが使っていたことで人気の高い60年代のブラックオイスターのジャズフェスティバルはラップの状態で価値がかなり変わる。
ラップの状態が非常に悪くて10万円以下のものもあれば、極上の美品ならば100万円近い値段がつくこともある。
ブラックオイスターは当ショップでも取り扱ったことが無いので写真は無いのが残念である。
現存するスネアの中で最も高級品といっても過言では無いのが、60年代のブラックオイスターのジャズフェスティバルなのだ。
やはり、ビートルズ、そしてリンゴスターは偉大だということである。
ちなみに上記のブルースパークルのジャズフェスティバルだと、状態の良いもので概ね5万円~10万円くらいだ。
リラップで外観が蘇る
ビンテージドラムのラップは、経年の間に色が非常に悪くなったり、またはクラックが出来たりする。
つまり、保存状態にもよるが、コンディションはだんだん悪くなっていってしまうのだ。
そこでラップを変えちゃえばいいんじゃないか?ということでリラップという技術がある。
今までの古いラップを全て剥ぎ取って新しいものに貼り換えることをリラップと言うのだ。
リラップの利点
リラップの利点は何と言っても、その自由度だ。
自分の好きな柄の新しいラップに変えることが出来る訳だ。
もちろん、既製品のラップから選ぶのが普通だが、カスタムメイドでかなり自由度の高いラップを作ってもらうことも可能だ。(カスタムメイドならば、ペイントの方が主流ではあるが。)
自分だけのオリジナルスネアにすることが出来る、ということだ。
リラップのデメリット
リラップをすれば見た目が新品同様になる訳だが、オリジナルではないので価値が落ちることが大半だ。
この価値が落ちるという意味はオリジナルの状態の良いラップよりは価値が落ちると言う意味であり、かなり状態の悪いオリジナルのラップよりはプロの手によるリラップの方が評価が高いことも多い。
リラップ自体は材料費や張り替えるリペア代などを考慮すると、ドラムセット全体に施すのはそれなりに高額なためかそれ程一般的ではない。
いずれにしてもラップがオリジナルなのか、リラップなのかはビンテージドラムにとって非常に重要な要素となる。
そこで、オリジナルであることを確認しなければならないのだが、60年代のludwigはラップを巻き込みしているため判別が非常に簡単なのだ。
ラップの巻き込みをチェック
ここでようやく今回の本題に行き着いた。下記の写真を見て欲しい。
こちらの写真を見るとラップがドラムシェルの中まで繋がっているのが分かると思う。
見るべきポイントはラップ自体がシェル自身に巻き込まれているかどうか、だ。
チェックするべきなのは赤丸の部分。ブルースパークルのラップが中まで巻き込まれているのが分かると思う。
ラップが巻き込まれていれば確実にオリジナル?
ラップが巻き込まれていれば100%間違いなくオリジナルと断言して良い。
まず、ドラムのシェルは基本的には合板で出来ている。合板は丸太を桂剥きにして、薄くした板を重ねて作られていく。
60年代のludwigはこの合板の一番外側の板自体にラップを装飾しているのだ。
つまり、合板の製造過程でラップがすでに施されている状態であり、これにより上記の写真のようにラップの巻き込みが成されるということ。
一度作られた合板を剥がすことは出来ない。
リラップする場合にはオリジナルのラップを剥がす訳だが、巻き込み部分のラップはどうしても残ってしまうのだ。
その状態で新しくラップを巻くが、その場合には継ぎ目がオリジナルとは別の場所に出来るので、確実にリラップと分かる。
つまり、60年代のludwigドラムはシェルにラップが巻き込まれている=オリジナルであることの証明になるということだ。
他の年代も巻き込んでる??
このラップの巻き込みは60年代のludwigスネアの特徴であり、他のメーカーには見られないし、ludwigも70年代以降はやっていない。
なので、60年代限定の仕様となっている。
幸いなことにオリジナルラップかどうかによって価値がとんでもなく大きく変わるのは60年代のludwigブラックオイスターやブルーオイスターくらいのものだ。
そのため、正直この年代だけオリジナルの確認が容易なのはドラマーにとっては朗報と言えるだろう。
もしも60年代のludwigのドラムを購入するならば、必ずシェルの巻き込みはチェックするようにしよう。