バンドを長くやっていると必ず一度は言われるであろう悲しい一言。
何かドラムが曲に合わない。
ノリに合ってない。
何かドラムが違うような気がする。
このような、解決策を提示してくれない困った一言。本当にとても困ったものだ。
私も今まで何度このようなことを言われては涙を流したか分からない。
今回は、何かドラムが違うと言われないためにはどうすれば良いかということを解説していきたいと思う。
ドラムが曲に合ってないと言われたら
周りの音と調和していたか考える
ドラムが合ってないよ!と言われた時に、一度冷静になって振り返ってみよう。果たして、自分のドラムは曲と調和して全体の楽曲が良いものになっていたか?と。
で、大抵の場合には、「そんなこと分からん。だって曲叩くので精一杯だから!!」という状態になっていないだろうか。
つまり、曲に合ってないと言われた場合、まず周りの音が聴けていない可能性が高いということだ。
ドラムを簡単にする
自分のドラムで精一杯になっていて周りを気にする余裕が無い!という場合には、ドラムをより簡単にアレンジした方が良い。
難しいドラムパターンをやりたい!曲を完コピしたい!複雑なフィルインを叩きたい!という気持ちは分かるが、バンドあってのドラムである。
ドラムは引き立て役でありメインは歌や楽曲なのだから、必ず自分の出来る範囲のプレイを心がけるべきだと思う。
難しいプレイは個人練習でやる
成功率が低いような大技や複雑なドラムパターンは練習の時だけやるようにしよう。正直、練習で100%モノにしていることしか実戦では出来ない。
なので、練習時でも上手くいかないようなことをリハーサルの時にやってしまうとまず間違いなく失敗する。
そして、当然この時は自分のドラムに集中してしまって周りの音が聴けていないのでバンドの調和を乱したプレイになっている。
バンドでは確実なプレイを!
とにかく、バンドでは自分がモノにしているグルーブと手数だけで勝負する!
これを実行するだけで、プレイの際に心に余裕が生まれて周りの音まで聴けるようになる。結果として、自然と周りの音との調和を感じるようになり、ドラムが合ってないと言われることも少なくなるだろう。
ちなみに私はドラム歴は軽く10年を超えるが、バンドでは一切の難しいことが出来ない。ダブルストロークすらほとんど無理だ。(ゴースト・ノートは頻繁に使うが。)
自分がモノにしているグルーブと手数で勝負するように徹底している。まあ、つまり端的に言うと実力不足ということでもある。
しかし、周りから手数が足りない、というような指摘は受けたことは無い。そもそも周りはそんなにドラムを単体では聴いていないのだ。
曲の雰囲気に合ってない時、音が外れた時だけ気にする程度だ。なので、曲の雰囲気を壊さないことをまずは重視すると良いと思う。
ドラムは無視でOK
極論を言うと、自分のドラムの音なんてバンド演奏時は無視するくらいでちょうど良い。
初心者はもちろんのこと、かなり上手いドラマーになってもドラムを良く聴いてしまう人は多いように思う。
バンド演奏なのにドラムばかり聴いていると、ドラムだけでグルーブやフィルインが完結してしまい、他楽器との調和、共鳴が無くなってしまう。
もしもあなたが一通り何でも叩けるレベルのドラマーなのに、ドラムが何か違うと言われているのなら、ドラムばっかり聴いていないか注意してみた方が良いかもしれない。
ドラムなんて一切聴かなくていい。嫌でも聴こえてくる。
ドラマーだけ自分の音から逃げられない
ドラマーは自分の音を聴かされる運命にある。
他のメンバーは自分の音が大きすぎたら下げればいいだけだ。もしも、音量を下げたことで他のメンバーに音小さいから上げてと言われたら、音量を上げてから自分はアンプやPAから遠ざかれば問題無い。
キーボードもドラムと一緒で場所の移動は出来ないが、必ずキーボード用のモニターがあるからそこで自分のやりやすい音量に調整すればOKだ。
ドラマーだけ自分のドラムの生音をすり抜けて、周りの音を聴かなければいけない。
だから、ドラマーはドラムの音を聴く必要なんて一切無い。ほんとに無条件でドラムの音は聴こえてしまうから。
他の音を聴くことに全ての神経を使うようにした方が良い。これを意識し続けるだけで、ドラムが曲に合ってないと言われることは一切無くなる。
それくらい重要なことだと思うので、初心者はしっかり意識しよう。
パーカッションも含めてノリを考えること
ポップスやR&Bではパーカッションが入っている曲は非常に多い。(激しい音楽では少ないかもしれない。)
例えば、実際の音源ではドラムはシンプルなエイトビートを叩いているけれど、コンガやシェイカーなどのパーカッションで16ビートのノリを出している場合も良くある。
このような場合にドラムだけを聴いてエイトビートのままバンドに持ち込んでしまうと、あれ?ノリが違くない?ということになってしまう可能性が高い。
というのも、パーカッションが不在のバンドは多いからだ。もしもパーカッションがいるならノリを補ってくれるのでドラムはエイトビートで問題ない。
パーカッションがいない場合、ドラムが打楽器全般の音を聴いて、全体のノリ、ビートを作り上げなければいけない。
何か違うという感覚は大事
初心者のミュージシャンだと自分の楽器だけで精一杯で他の楽器のことはまだまだ分かっていないことが多い。
当然他メンバーはドラムのこともよく分かっていないことが多い。
なので、パーカッションが無いからノリが違う、ここのドラムのリズムが前ノリになっておかしくなっているなどの的確な指摘は出来ない。
けれど、何か違和感があることは誰でも分かるので、「何か違う。ドラムが曲に合っていない。」ということだけを指摘してくる。
これはある程度レベルの高いミュージシャンでも往々にあることだ。ドラムが何か気持ち悪くて違和感があるけど、それが何でかは分からない。
でも、これを言われている時はまず100%、曲の中で何かしらの問題が起こっている。
僕たちドラマーでもジャムセッションなどに参加すれば思うことはあるだろう。
このギタは何か不快というか上手くないんだけど、それが何でかは分からない、ということは無いだろうか。
それが音作りに原因があるのか、ピッキングのやり方なのか、それとも楽器自体に問題があるのか、技術的なことなのか、コードが間違っているのか。そこまでは分からないことも多い。
それでも、何かおかしいということは誰でも分かる。同じように、もしもドラムがおかしいと言われた場合には、よほど大きな問題が起こっている可能性が高い。
せっかく貴重な指摘なので、しっかりと受け止めて改善してしまおう。
録音して確認してみる
初心者のうちは、いくら周りの音を聴こうと思ってもなかなか難しいものだ。
そこで、録音して確認するのが手っ取り早い。演奏時には分からないことでも録音して後から聴くことに集中すれば色々なことが分かる。
ここのタイミングがおかしかったのか。ここのリズムがドラムだけハネていない、といった具合だ。
このようなことが客観的に分かれば、後はそれを改善するために練習をするだけだ。
録音して聴くことはトライアンドエラーの基本なので、毎回必ずやった方が良い。
ドラムが曲に合ってないと言われる時の対処法まとめ
曲に合ってないと言われた場合、まず周りの音が聴けていない可能性が高い
難しいプレイは個人練習でやって、バンドの音合わせではドラムを簡単なアレンジにする。
ドラムの音に集中せずに(むしろ聴かなくていい)、周りの音と調和しているかを感じること。
パーカッションが不在の場合には、打楽器全般のノリをドラムが出す意識を持つ。
何か違和感があるけど、具体的には分からないということは多いので、録音をして自分たちの演奏を客観的に確認すること。