ドラムのセッティングやチューニング ドラム上達法

ドラム上達を妨げる日本の困ったスタジオ事情

13タムのセット方法

日本では生ドラムを自宅で叩くのは騒音の問題で難しいのではないだろうか?

そんな時に私達ドラマーが日常的に利用するのがスタジオだ。

このスタジオに置いてあるドラムセットがドラマーの上達を妨げているかもしれない。

今回は日本の特殊な常設ドラムセットについて苦言を呈したい。

スタジオのドラムセットの基本

日本のスタジオはドラムセットが少し特殊で12タム、13タム、16タム、22バスドラの4点セットが多い。

これにプラスして10タムを置いているスタジオも中にはあるが、基本的に13タムが必ずあるのが特徴的だ。

そして、バスドラム自体にタムホルダーをセットし、タムをセッティングする形になっている。

スタジオだけでなくライブハウスでも大抵このようなドラムセットが置いてあるだろう。

正直言って、このドラムセット自体はあまり良くないと私は思っている。

13タムとタムホルダーでセッティングが不自由になる

何が問題かというと、13タムはバスドラムの上にセットするには大きすぎるのだ。

1タムなら問題ない。60年代のludwig(ラディック)スタークラシックは名機だし、プレイもしやすい。

ludwigスーパークラシック

タムが1タムならばセッティングの自由が効く。

しかし日本のセッティングは12タムが左にあって13タムが右にあるのだ。

そして、それをバスドラムのタムホルダーで固定している。
下記の写真では、正面から撮っているので左が13タムになっている。やっぱりデカイ。

13タムのあるドラムセット

高さに制限が発生する

13タムは深胴であることが多く深さは10インチ以上あるものも多い。すると、高さに制限が出てくる。

22インチあるバスドラの上にタムをセッティングするのだから、13タムの深さが仮に10インチあったとしたら、

【バスドラ22インチ】+【13タム10インチ】+【タムの傾斜や隙間など考慮+3インチ】=約89センチ~90センチ

これがタムの最低限の打面の高さになる。当然、隣りにある12タムもこの高さに合わせないといけない。

89センチ~90センチというのは、結構高い。

私は身長が平均男性よりやや高めくらいなので、そこまで問題では無いが、女性や背丈のあまり無い人にはかなり高いのでは無いだろうか。

セッティングに制限が発生

タムが高めにセットされるため、傾斜を少なめにしてタムを平らに近いセッティングにしたい場合にはかなり厳しい。

また、傾斜だけでなくタムの配置に関しても問題が出てくる。13タムは打面が13インチある。隣の12タムは打面が12インチある訳だ。

この2つをバスドラの上にあるタムホルダーでセッティングするのだ。どちらのタムも叩きやすいように、きっちりセッティングしようとすると、自ずとタムをセット出来る位置は限られてしまう。

正直、セッティングがかなり制限されてしまい、結果としてタムの位置を中心にセッティングを考える必要が出てきてしまう。

本来はバスドラとスネア、ハイハットを中心にセッティングを考えるべきだ。タム中心でセッティングを考えるとスネアの位置が不自由になりプレイに大きな支障が出る可能性がある。

チューニングがしにくい

ドラムというものは口径、つまり大きさによってある程度、自然な音の鳴りがする音域が決まっている。

12タムと13タムではサイズは1インチしか変わらないため、音階に差を出すのが難しくなってしまう。

今ではタムは2インチずつ差を付けるのが主流になっている。10タム、12タム、14フロアタム、16フロアタムと言った具合だ。

それなのに、なぜか日本では13タムが使われているのだ。

なぜ13タムが採用されている?

70年代セッティングのなごり

1970年代にはludwig(ラディック)を始めとする多くのドラムメーカーでのスタンダードは12タム、13タム、16フロアタム、22バスドラだった。

13タムのあるドラムセット

さっきもお見せしたセットである。

このセットは以前にUSADRUMSHOPで取り扱った70年代ludwigのスーパークラシック、ブラックダイヤモンドのドラムセットだ。12タム13タムの2タムセットの代表格と言っても良いドラムセットだ。

70年代後期くらいから、ちょうど日本では第一次バンドブームによってポップスやロックが全盛期だった頃かと思う。

この頃に音楽スタジオも続々オープンし、当然ドラムセットは当時の流行りであった12タム、13タム、16フロアタムのセットになる訳だ。

こうして日本ではそのまま13タムが定番としてドラマーに根付くようになっていった。

世界では10タム、タムスタンドが主流に

しかし、世界では80年以降には10タムが取り入れられるようになり、10タム12タムをタムスタンドにセットする方式が主流になる。

フロアタムが14インチか16インチの1フロア、もしくはフロアは14インチと16インチで2フロアタムというセッティングだ。

バスドラムにタムホルダーを付けるのは自然な音の鳴りを妨げるから良くないのでは?という風潮に変わっていった。

結果として、90年代~2000年代以降はこのようなセッティングが主流になっていく。

セットの主流

10タムと12タムをタムホルダースタンドでセットするという方法だ。

これならバスドラの位置を気にせずスタンドを動かせるので、セッティングにかなりの自由が効く。

もしも13インチのタムも置きたいという場合にはもう片方のシンバルスタンドにタムホルダーをセッティングすれば良い。

13タムのセット方法

 

こうすることで13タムと12タムを離して自由にセッティングが可能になる。

ちなみに10タムと12タムならば口径が小さいため、バスドラ上にタムホルダーをセットした場合でもある程度叩きやすいように自由にセッティングは可能だ。

13タムは1タムならいいが、2タムや3タムにした場合に口径も深さも大きすぎるから良くないのである。また、13インチのタムでも8インチ程度の浅胴ならまだセッティングはしやすい。

スタジオのドラムセットは10タム・12タムの2タムにして、14フロアタムか16フロアタム、という構成の方が良いように思う。

10タムを買おう

残念ながら、今尚、日本のスタジオやライブハウスでは12タムと13タムのドラムセットが主流となっている。

なので、13タムは外して12タム1つだけの1タムセッティングにしている人も多い。

しかし、1タムでは足りないので、13タムも使って窮屈なセッティングを強いられている人もいるだろう。

もちろん、この12タム、13タムのセッティングに順応して全く問題なくプレイ出来ている方もいるとは思うが、ただそれに慣れているだけでベストなセッティングでは無いかもしれない。

この13タム問題を解決する方法が、マイ10タムの購入だ。

私もアメリカに住んでいる時にはドラムセットを持っていたが、日本帰国の際に手放してしまったので、後で10タムだけ日本で買い直すことになった。

10タムを持っているだけで、セッティングの幅がぐっと広がる。

1タムは嫌だけど、12タム・13タムだとセッティングがイマイチだと思っている方は、ぜひ10タムと12タムの2タム仕様を試してみて欲しい。

音の違いは気にならない?

スタジオのドラムセットにいきなり別のメーカーの10タムを組み込んだら音が全然違うのでは?と思うかもしれない。

確かに音は違うのだが、そもそもスタジオのタムは音が悪いことが多いのでそこまで気にするものでもない。ヘッドがヘタれていてチューニングがぐちゃぐちゃだからだ。

チューニングする時間もなかなか無いので、私は手軽にミュートするようにしている。ミュートすれば余計な倍音が無くなるのでチューニングが悪くても誤魔化しがきく。

音の違いを気にするよりも、スネアとハイハット、バスドラ、2タムの位置を自由にセッティング出来る方がよほど有益だと思うので10タムを使用している。

日本の困ったスタジオ事情まとめ

12タム13タムの2タム仕様がドラムセットの基本になっているため、セッティングに制限がある。

世界的には1970年代の流行だったものを日本ではずっと採用している。

現在の主流は10タムと12タムの2タムと14タムか16タムの1フロアタム、もしくは2フロアタムになっている。

この主流に近づけるためには、10タムを購入してマイ10タムを持てばOK。

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